すいとん(ひっつみ)

アメリカに赴任している方から「すいとん(水団)」のリクエストを頂いた。
「美味しんぼ」にもすいとんが出てくる。それも私の故郷岩手のすいとんだ。盛岡では ひっつみ と言う。
引っつかんで、鍋に放り込むからひっつみだろう。私の母は「代用食」と言っていた。お米が乏しい時の代用品だ。
戦後「だし」もなにも無しで作られたから、おいしい食べ物ではないイメージだ。美味しんぼでも岩手のすいとんはそのような役割だったように記憶している。
20代のころ食べた、岩手県宮古市の料理屋さんの名物料理が「ひっつみ」だった。天然のきのこが4種類入っていた。
今は栽培のきのこがたくさん手に入る。4種は多すぎるので3種類にした。
だしは鶏肉でとった。もちろん煮干でもいいのだ。郷土料理は基本的に「あるもの」で作る。材料は何でもいい。冬の料理なので保存が利く根菜があればいい。



舞茸
ぶなしめじ
干ししいたけ
ごぼう
にんじん
長ネギ

小麦粉
 


鶏肉
油揚げ
 
鶏肉はだしのぶんだけでよい
この1/3ぐらいでいいのだ


根菜は小さく刻む
ごぼうは笹がきがいい


まいたけは
細く割き
一度熱湯に通す
こうすれば色が黒くならない
 


鍋に長ネギ以外の
野菜、鶏肉ほか
材料を全部入れ
火を通す


別に茹でた
まいたけも入れる


火が通ったらごく弱火

鍋を火にかけている間
小麦粉+塩少量
 


水を少量ずつ入れ
こねる
粘土細工のようだ
こねて
手でよく揉む

揉むと腰が出てくる


直ぐでもいいが
時間を置く時は
キッチンペーパーを
濡らして掛けておく
 


手に水をつけ
少しずつひっぱる
手のひらで薄くつぶしてもいい

厚いと茹でるのに時間がかかる
 


鍋を温めながら
塩少々
醤油で味を整え

すいとんを放り込む
くっつかないように


すいとんが
煮えたらできあがり
長ネギを刻んで入れる
 


できあがり
鶏肉のだし 油揚げ
きのこの味
具だくさんのすいとん
おいしくて笑い出してしまった