今まで料理関係の本をたくさん読んできた。
しかし剥きやすい茹で玉子の作り方を書いた本は見たことがない。
三陸はるか沖地震の時、「レストラン我が家」ではおでん用の茹で玉子を大量に剥いていた。
剥きにくくて、文句を言っていたときにいきなりグラグラとゆれ始めた。
平成6年12月28日 午後9時19分だった。
平成12年か13年の夏、読売新聞の読者投稿「気流」欄に、80歳を過ぎたおじいさんの投書が載った。
パン屋さんをしていた方で、戦後すぐに「おかずパン」を作って、大繁盛したという話であった。
ゆで玉子を使うパンの評判がいいので工場を拡張した。夏はゆで玉子が簡単に剥けるが、冬になると剥けなくなるので困った。
困り抜いて一計を案じて、玉子を電気毛布にくるんで温めてから茹でたところ、ものの見事に簡単に剥けたという内容であった。
私が半世紀以上生きてきて、初めて「茹で玉子を簡単に剥く方法」のヒントに出会った。
料理の本ではなくて人生を振り返ったエッセーの中に混じっていた。
今は冬である。この玉子は三陸はるか沖地震と時と同じ冬の、剥きにくい時期の玉子である。
右側の玉子画像のとおり、つるっと剥けた。魔法を使ったのだ。
「玉子を冷蔵庫から出す。鍋に水を入れる。お湯を足してぬるま湯にする。その中に玉子を入れる。しばらくしてからコンロに火をつける」
パン屋さんのおじいさんのアドバイスのとおり、「夏の玉子」にしてから茹でたのだ。
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ラップに味噌を載せる その上に 剥いた茹で玉子を載せる |
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ラップの中で 茹で玉子を味噌でくるむ 分かりやすいように お弁当用の、一人前づつの味噌を使った 味噌漬けにすると 味噌は水分を吸って使えなくなる 玉子が隠れるぐらいの 少量の味噌を使うこと 右の玉子も半分殻を剥いている |
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約10時間つけたものを水洗いした 玉子に程よい味噌味がついている 一晩漬けて お弁当のおかずにどうぞ 茹で玉子の燻製もおいしいよ |