P.パーティー料理

 パーティー料理と言えば大げさになる。ビールパーティーであれば、味の濃い油っぽいものになるし、冬のこたつのパーティーであれば、鍋を囲んで1升瓶となる。野外であれば、季節と場所に応じ変化するのであるが、要は、
   ・料理時間と手間が少なく
   ・ボリュームがあり
   ・大量に作成できて
   ・材料費は予算に応じ  ということである。

69.お握りパーティー

 未成年の人もいるからまずはご飯のパーティーから。
 お握りと豚汁とおかず。
 お握りは中身にバラエティーを持たせる。鮭フレーク・梅干し・おかかや佃煮などと、お握りの具の袋入りセットですぐに3種類ぐらいにはなる。もう少し材料が揃えば手巻きずしにしてもよい。
 豚汁をつくる。大きな鍋に豚肉・大根・人参・こんにゃく・油揚げ・薩摩揚げ・ねぎを入れ、具沢山でおかずを兼ねるものを作る。
 おかずはゆで卵、市販のメンチカツやコロッケに魚や貝の缶詰、きゅうりなどの野菜ステッィク。

70.モツ鍋風

 お酒があるときの冬のモツ鍋風
 材料はキャベツ・モヤシ・ニラ・にんにく・唐辛子・人参で、肉はいつでもどこでも手に入る豚肉バラスライスか、焼肉用のスライス。
 下ごしらえはキャベツの1センチぐらいのザク切り。モヤシはざるにあけて、上から水をかけて水洗いして、水を切る。人参は皮のままよく洗い、頭としっぽを取り除き、薄切りにする。ニラは水洗いして、5〜6センチぐらいに切りそろえる。にんにくは皮をむき、ポテトチップのようにスライスする。唐辛子(鷹の爪ともいうが、鷹の爪とは品種名である)は、2つにちぎり、水をかけて種を取り除く。
 料理方法は、鍋にたっぷり水を入れ火にかけ、沸騰したら全部の材料をいっぺんにいれて、吹きこぼれないように中火で煮るだけである。肉や野菜が煮えたら食べられるが、鍋には味はつけない。水炊きである。
 小鉢(大ぶりのもの)に、濃縮麺汁をざるそばの倍の濃さに作り、湯豆腐のように鍋から器にとって食べる。辛かったら鍋の湯で割り、薄くなったら濃縮麺汁をたす。好みの濃さに加減する、いい加減さが楽しい。
 コツはにんにくと赤唐辛子を必ず入れることであり、飽きたなら鍋をそのままにしておき、夜食用に麺を入れて食べる。茹でずに麺だけを、湯の量を調節しながら放り込む。インスタントラーメンと同じく、スープ用に使うお湯で茹でるから、インスタントラーメンの麺が代用できる。
 他のおかずは、ぎょうざと箸休めの漬物で十分。その代わり中身の野菜をたっぷりと用意する。
 もやしやニラは、どこでも手に入る。牛モツより豚バラスライスのほうが安く、かつ、手に入りやすい。あとはキャベツや人参・椎茸など、年中手に入る野菜だけを使うので、思いついたらすぐ作れる。
 この料理も、ごみがほとんどでない。人参の頭としっぽぐらいである。アツアツで、風邪も直り、おなかが一杯になる。にんにくはすっかり煮るので、臭いは気にならない。もちろん水炊きではなく、醤油や味噌で味つけをしてもよく、めんつゆを鍋に入れて味つけにしてもよい。いろいろ試して、好みの味を追及してみる。

71.中華風パーティー

 中華風で考えてみる。ぎょうざは若者に人気があり、かつ点心としての軽食にもなり、定食のおかずにもなる。ぎょうざは作ってもよいが、手間がかかり、一人ではやめたほうがよい。ここではスーパーのパック入りのものを使用する。
 フライパンで袋に書いてあるとおり焼く。これで1品。つぎはカニ玉を作る。缶詰でもいいが、卵の中に隠れてしまい、入っているかどうか分かりにくい。カニ蒲鉾が色もよく、ボリュームもあり、扱いやすくてちょうどよい。
 長ねぎを大きく斜め切りにして、1本分用意する。干椎茸があれば戻して使う。卵は3〜4個使う。
 卵をボールにあけてよく溶き、塩を少量入れる。フライパンにたっぷりのサラダオイルを入れて熱して、長ねぎの斜めそぎ切りと細く切った椎茸を入れて炒め、カニ蒲鉾をちぎって入れる。
 ねぎに火が通ったなら、卵を一気にフライパンに流し込む。菜箸で大きくかき混ぜ、フライパンの油とねぎと卵がよく混じるように、フライパンを持つ手も動かす。
 卵は全体がフワフワのままがいいので、強火でフライパンを片手に、箸を片手に、大きなアクションで調理する。全体が混じったなら火を弱め、フライパンの形に整えて、フライパンを持ち上げて一気にひっくり返す。練習あるのみ。フライ返しを使ってもよい。この料理も卵の殻とねぎの皮ぐらいしか、ごみが出ない。 最初に上側だったほうは、フライパンの余熱で固まるので、すぐに火を止める。甘酢あんかけにしたいところだが、手間がかかるので、ケチャップと中濃ソースを半々に混ぜたソースをかける。2品目ができあがり。
 3品目は野菜炒めでも、市販のレトルトパックを使った麻婆豆腐・麻婆茄子でも作ってみる。ソース焼きそばなどもすぐにできる料理である。これに中華風冷やっこでもあれば、テーブルが一杯になる。
 中華風冷やっこは、豆腐にねぎやかいわれ大根、もみのり、おろし生姜をのせて、ゴマ油をたらし醤油をかけて作る。
 ザーサイを小鉢にもってテーブルに置く。

72.おでんパーティー

 テーマはおでんである。ご飯と汁は、おでんを食べるとおなかが一杯になるので作らない。煮物が主体だから、他の料理は、生物・焼き物・漬物など、あっさりしたものを並べる。生物はイカの塩辛や味つけタコ、刺身パックなど、焼き物はししゃもやエイひれ、スルメ、ブラックタイガーのフライパン塩焼きなど、漬物は浅漬けのきゅうり・紫葉漬け・らっきょう・茄子漬けを複数用意する。
 おでんはボリュームのある揚げ物・魚の練り物を主体に、豆腐・油揚げ・ゆで卵・こんにゃくなど、保存できるもので量を調整する。くれぐれも作り過ぎないように。

73.居酒屋風パーティー

 仲間と外で飲むのも楽しいが、部屋で飲むのも、時間や勘定を気にしなくてもいいので、また楽しいものである。しかし隣の部屋に迷惑をかけないよう、お静かに。
 食べ物がたくさんあり、自分の好みの食べ物ばかりで、材料費しかかからないから、その分を飲み物に回すことができる。
 手のかからない物を準備して、少しだけ手のかかるものを自作する。うんと手のかかるものは、時間がもったいないので、前もって作っておく。
 手のかからない料理は、冷やっこ・竹輪や蒲鉾の板わさ・袋入りで売っているキムチもやし・缶詰のオイルサーディン(タバスコを添える)、貝・イワシ・サンマなどの缶詰、塩辛・メンマ・ザーサイなどの瓶詰、キムチ。
 少しだけ手のかかる料理はしらすおろし、茹でたソーセージとハムなどの盛り合わせ、ししゃも・丸干・卵焼き・厚揚げ焼き、パックのぎょうざや焼売、もろきゅうやオニオンスライス、味つけタコときゅうりの和え物。
 手をかけてもすぐに作れるものはニラ玉、ほうれん草とベーコンの炒め物、ウィンナとピーマンの炒め物、豚肉生姜焼き、アスパラガスやブロッコリーのサラダ、麻婆茄子、山芋千切り、おくら、マグロの山かけなど。
 手間をかけても作って準備したいものは、やはりモツ煮込みである。
 要は和風・洋風ごったまぜで、酒の肴になる簡単な料理がたくさんあり、気取ったりこだわったりせず、気楽に食べて飲めるところが居酒屋のいいところ。しかし何か一品でも季節の物、旬をテーマにしたい。
 春は筍、菜の花のおひたし、初夏は鰹のたたきや山菜のおひたし、アスパラガス。
 夏はビールが主役であるから料理は脇役に回り、冷やっこ・枝豆や谷中生姜・きゅうりもみ・茄子漬け・トマト。
 秋は茸汁・芋の子汁・しめ鯖・長芋。
 冬は湯豆腐・おでん・べったら漬け・ふろふき大根・雑煮。

74.ピザパイ

 注文してから30分以内で配達してくれる宅配ピザがはやりである。オーブントースターで自作すると、何種類も味わえる。ピザパイの台(ドウ)は、市販品を使用する。スーパーのチーズ売り場で、直径18センチ程度の台を数枚入りで売っている。チーズもトッピンクも何もない台だけがよい。あとで好みのものをたっぷりと、ぜいたくにたっぷりとのせる。
 チーズはピザパイやピザトースト用の、細かくカットされているものを使用するが、余ったものは冷凍保存する。多めの袋入りのピザ用チーズを買い求め、ピザトースト用にも使えばよい。
 野菜は玉ねぎとピーマン(種を取って輪切り)と、あればマッシュルームの缶詰。
 肉類は何でも構わない。サラミソーセージ・ベーコン・ハム・シーチキン・あさり・アンチョビーの缶詰・オイルサーディンなどから、あまり混ぜないでシンプルに選ぶ。
 ピザソースは市販のものもあるが、毎日使うわけでもなく、冷蔵庫の場所塞ぎにもなるので、使う分だけ自作する。
 トマトケチャップと中濃ソースを半々に混ぜて、玉ねぎのみじん切りを少し加え、スパイスのオレガノを振り入れる。玉ねぎのみじん切りは、うんと細かく刻むが、面倒だと思ったら刻まないで、少しだけすりおろす。玉ねぎの残りは、ピザにのせるためにスライスにする。
 ピザ台にソースをスプーンでたっぷりと塗り、玉ねぎスライスをしいて、上に少量のチーズを置き、好みの具をたっぷりとのせて、またすき間があくように、ピザチーズをのせる。あまりのせ過ぎると中のピーマンに火が通りにくいので、適当に間が開くように加減する。具を全部のせ終わったなら、まな板の上に移して、包丁で半分に切る。
 オーブントースターで焼くので、奥行きが足りないから、半分に切ったピザパイを、切れ目をずらして細長くして、アルミフォイルの上に移し、オーブントースターに入れて焼く。
 アルミフォイルを敷かないと、溶けたチーズがトースターのヒーターに流れて、ヒーターを焦がしてしまう。
 チリーパウダーやペパロニのピクルスをのせて辛くすると、ビールによく合う。
 台に具とチーズがのった市販品もあるが、概してコストの関係で上にのっているものが貧弱である。自作はソースの味は多少物足りなくても、たっぷりと具をのせて、ボリュームでカバーしたい。
 ピザの台が手に入りにくいときには、6枚切りの食パンを手で押しつぶして、代用品とする。どうせもともと原料は同じである。自作の強みは、材料を変えて何種類でも味わえる点にある。コストが安いぶん生ハムや野菜サラダ、肉料理に回したい。野菜サラダはレタスをたっぷり入れてドレッシングで、生ハムはメロンやキーウィ、缶詰の桃にのせる。あとはウィンナソーセージと茄子の輪切りをフライパンで炒めて、たっぷりのケチャップをかけて味つけした1皿や、フライドチキンでもあれば十分である。ビールの他にワインも用意したい。 

 自炊している次男がピザに凝っている。マルガリータ(赤いトマト、白いチーズ、緑のバジル イタリア国旗の色)を作るためにバジルを育てたいという。私はバジルを自家用に栽培している。お花屋さんで鉢を手に入れたということで育て方を聞いてきた。
「30センチぐらいに伸びたなら、先端の芽を摘んで、あとはどんどん葉っぱをつまむことだ。つまめばつまむほどバジルは新しいところから伸びてくる」と教えた。葉をつまないと花を咲かせて種を作り、一生を終わるのだ。種ができないようにつんで食べる。食パンにバジルを置いてとろけるチーズを載せ、トマトを載せてトースターで焼いてピザトーストにしていることだろう。
 帰省したとき「大家さんに葉っぱをつまんでくれるよう頼んできた」と言っている。大家さんはプロの料理人で話が分かる人だろう。
 私は行ったことはないが、「帰れソレントへ」の曲が大好きである。港町ソレントの対岸の島がカプリ島であり、ナポリ湾に位置する。いつの日か行って、本場のマンドリンを聴いてみたい。

75.手巻きずしのパーティー

 握りずしは無理でも、手巻きずしは自作可能である。すし飯はご飯を丼かボウルに移し、粉末の「すしの子」を使用して作る。
 種はスーパーで売っているセットに、好みでマグロ、ねぎトロや甘海老をたす。他に筋子・明太子・たらこ・挽き割り納豆・きゅうり・シーチキンなどの保存食を利用する。塩辛や練りウニも利用できる。いい海苔とワサビを用意する。
 他のおかずは、だし巻き卵、和風サラダ、おひたし、吸い物、山かけや山芋千切りなど、あっさりしたものをそろえる。

76.オープンサンドのパーティー

 ビールやジュースとぴったりの、パンを主体としたメニューを。パンは食パン8枚切りとバケット(フランスパン)を使う。食パンはサンドイッチにしないで、上に具をのせるだけで、折り曲げて食べる。バケットは3センチぐらいの幅に切り、中央に具をはさむ切れ目を入れる。具は、ハム・茹でたウィンナソーセージ・ハンバーグ・コロッケ・メンチカツ・ゆで卵・シーチキンマヨネーズに野菜類。野菜類はアスパラガス・サラダ菜・レタス・きゅうり・かいわれ大根。
 マヨネーズ・ケチャップ・練り辛子・タバスコを用意する。  食べる人が好みで組み合わせて、サンドイッチを作る。他のメニューは、マカロニサラダやポテトサラダ、シーチキンサラダなど、買ってもいいし、作っても簡単だ。せっかくだから生で食べる野菜を多くする。 軽い飲み物のジュースなどが合うので、スープは作らない。準備は皆でワイワイ進める。

77.ブイヤーベースのパーティー

 海辺育ちの友人がいて、無性に海の幸が食べたくなったときに試してみる。トマトベースのスープに、手頃な魚介類を入れて海の香り豊かな鍋に作る。
 大き目の鍋にトマトの缶詰を入れて、水を加え火にかける。コンソメスープを水の量に合わせ、1・2個入れ、塩・胡椒・ケチャップを入れるが、途中でスープの味を見ながら、加減する。にんにく1片のスライス、玉ねぎ半個分のスライスを入れる。ペイリーフを数枚入れる。セロリの葉も小さく切って入れる。タイムやオレガノを入れる。
 中身はあさりの殻つき、ブラックタイガー、ほたて貝のむき身、切り身のタラ、イカ、カニ足。イカは胴と足を切り離し、胴の中からワタをこわさないように取り、ワタはビニール袋にいれて処分する。生ごみ回収日まで日があるときは冷凍庫で保管する。(後で忘れないように)
 足はカラス・トンビの部分を切り離し、食べやすい大きさに切る。胴と耳は包丁を入れて円筒形か板状にして、中央に切れ目を入れて皮をはぐ。2センチぐらいの幅に切り分け、鍋に入れる。イカは分解の仕方が分かっている友人に任せてしまう。実は魚の中で一番おろしやすい。皮をはぐときはキッチンペーパーでつかむと滑らず、かつ手が汚れない。
 イカは冷凍庫で保管すると、イカ焼きそばや野菜炒め、お好み焼き、生姜焼きなど、使い道は多い。ついでにあさりも、冷凍のむき身があるので、これを使うと簡単である。
 具を鍋に入れるが、イカやえびは煮ると固くなるので、食べる直前に入れること。魚・あさり・ほたてを入れ、火が通ってからイカとえびを入れ、色が変わったなら食べられる。カニを入れるとうまいが、殻がごみになるので、また食べるときに手が汚れるのでいれなくてもよい。
 他のメニューは冷凍ピラフ・ドライカレー、野菜サラダ。ピラフの替わりにフランスパンでもよい。この料理も最初から材料をそろえずに、冷凍材料があるときに作る。味はトマトベースで、コンソメの味に、加えた材料の味がミックスして、気にしなくてもうまい味になる。味が薄いと思ったときにはトマトケチャップと塩を加える。
 白ワインを冷やして気取る。日本酒の純米酒のひやが合う。