M.朝食
朝食を取らない若者がたくさんいるそうだ。エンジンオイルやガソリンに気を配る以上に、自分の栄養補給にも気を配ってもらいたい。 朝食抜きで、昼はラーメンなどという食事では、夜にしっかりまとめて栄養補給しなければ体力がマイナスになってしまう。時間と手間のかからない朝食を、レパートリーの中に入れておきたい。
55.ご飯の朝食
温泉旅館の朝食を思い出してみよう。海辺の温泉宿では、ご飯・あさりやわかめの味噌汁、鰺の開き、蒲鉾、のり、生卵、季節の野菜やがんもどきの煮物、佃煮、梅干しなどである。
山の温泉宿では、ご飯、なめこ汁、温泉卵、のり、山菜の煮つけか和え物、淡水魚の甘露煮や佃煮、土地の名物の漬物などが並ぶ。
今まで書いてきた中から、朝食用のおかずを抜き書きする。
目玉焼き丼
醤油味のスクランブルエッグ
納豆・のり
おくら
瓶詰定食・佃煮
明太子・たらこ・筋子
板わさ・しらすおろし
冷やっこ
漬物
卵入りの味噌汁
レトルトのカレー
冷たいご飯があるときは「おじや」
300ccの湯に濃縮めんつゆを加え、沸騰させて冷ご飯を入れ、蒲鉾などをきざみ溶き卵を入れて、ねぎを散らしたおじやを作る。お湯さえあれば3分間で作れ、食べるのも簡単で早い。卵・竹輪・油揚げなど、冷蔵庫にある蛋白質を入れること。
中国がゆが人気である。中華料理店のメニューでも最近よく見かけるようになった。日本でも茶がゆなど、朝食の一品として昔からある。おかゆといえば病人食や、病み上がりの食事と思われがちであるが、朝がゆは優雅で消化にもよい。米対水の量が1対5〜1対10の割合で作る。
米をとぎ、鍋にいれて弱火でコトコト煮て作る。時間がかかるので、広口の魔法びんにといだ米と熱湯を入れて一晩おくと、朝にはでき上がっている。塩こぶや佃煮、梅干しなど塩気のあるものや漬物がほしい。一番合うのは濃縮だしつゆをかけた半熟卵である。
56.パンの朝食
食パンのトーストかバターロール、フランスパンの朝食。
1番目はハムエックやベーコンエッグ。
ひとつのフライパンで作る。ハムは糖分があり焦げやすいので、卵を先にフライパンにいれて焼く。フライ返しでひっくり返すと、見た目は悪いが早くできる。卵を裏返ししたなら端に寄せて、余白にベーコンをのせて卵と一緒に温める。フライパンはティッシュペーパーで拭き取る。
2番目はゆで卵。これは夜にでもまとめて5個ぐらい作っておく。味噌漬けにもなるし、サラダやラーメンの具にもなる。
3番目はウィンナソーセージやフランクフルトソーセージで、食べるときに少量の湯で茹でる方法が一番早い。フライパンで焼くよりも効率がよい。あとはレタスかサラダ菜があればよいが、無いときは昼にしっかりと野菜を食べよう。
飲み物は野菜ジュース・トマトジュース・牛乳・カップスープ・コンソメスープなど。
こんがりトーストはマーガリンをたっぷりと塗って、上にジャムやマーマレードを塗るとうまい。おかずがいらないぐらいである。
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57.麺の朝食
最近は長期間(100日パックなど)冷蔵庫で保存できる、密閉パック入りの茹でうどんがスーパーで手に入る。また、冷凍うどんも手軽な値段になった。生タイプのカップうどんも多数市販されている。
合成保存料ではなく、酢で殺菌処理して密閉する処理により、長期保存が可能となった。価格も手頃なので大いに利用したい。つゆがついていないものの方が、好みのつゆの味に加工できる。長期間保存できるうどんは酢を使っているから、食べる前に一旦ゆでて、ゆでたお湯は捨てること。そうしないと酸っぱくなる。汁は別に用意してうどんに掛ける。
長期保存できないパック入りうどんは、酢が入っていないので、直接、汁の中で加熱できる。
濃縮めんつゆを薄めてつゆを作り、鍋で沸騰させて、袋から取り出した麺を入れて煮立てる。丼に移して、好みの具を入れる。 朝だから簡単に手間がかからないように、蒲鉾・竹輪・生卵・薩摩揚げ・カットわかめなどが便利である。
油揚げを使うときは、きざんで最初に鍋にいれ、めんつゆで煮込んだあとにうどんを入れると、味がしみる。薬味は三つ葉・ねぎなどを切って、生のまま丼に入れる。調理時間は3分程度である。
麺の朝食は冬の朝など部屋も暖まり、体も暖まる。インスタントタンメンや塩ラーメンは湯を沸かし、玉ねぎスライスを鍋に入れて、それから麺を入れる。味噌ラーメンのときはねぎをきざみ、麺を入れた後に少しおいてからねぎと生卵を入れて、黄身が少しだけ固まるようにすると、味噌と黄身がとけあってうまい。
58.シリアル
シリアル(Cereal)とは、穀物・コーンフレークスの類いである。コーンフレークスは、牛乳をかけて食べる、最も手軽な朝食であるが、冬の寒いときなどは辛いものがある。ソーダクラッカーやクリスプ(カリカリのトースト)も保存食であり手軽な朝食でもある。ゆで卵や野菜ジュース・コーンスープなどと組み合わせるが、バターやジャムをつけてミルクティーと共に食べるぐらいの余裕がほしい。
日本の伝統的な朝食は、オスロ(ノルウェー)の朝食と共に、栄養バランスがとれている点で世界一であるそうだ。穀物・蛋白質・カルシウム・ビタミン・ミネラルのバランスがいいのである。
ご飯と味噌汁に鰺の開きなどの焼き魚、納豆・卵・のり・佃煮、季節の野菜のおひたし、漬物の組み合わせであり、小魚・煮干し・佃煮などカルシウムが豊富で、わかめや昆布、のりなど海藻のミネラル分も多い。
動物性・植物性蛋白質も、魚・豆腐・卵・納豆・味噌など数種類あり、穀物もあり、毎日これを全部朝食で取るわけではないが、数日分の朝食では口に入る食物の数は多い。
ご飯さえあれば、煮干しでだしをとった、わかめや豆腐の味噌汁を作り、生卵・納豆・のり・佃煮は保存食品であるから、準備は極めて簡単である。朝食をしっかり取ると昼食は簡単に済ますことができる。逆に昼食をしっかり取る国々では、朝食はクロワッサンとカフェオレというように、コンチネンタル風となる。
この点で、そばやラーメンで昼食を取る日本人は、朝食でベーコンエッグ、スクランブルエッグを食べ、昼食はハンバーガーやホットドッグ、サンドイッチで手軽に済ます英国・米国と似ていると言える。
朝食抜きは、昼の12時まで、少なくとも前夜の12時前から半日以上もエネルギーの補給がされていない状態であり、午前中の仕事や学業は、エネルギー切れのまま進められているわけであり、好ましいことではない。何か、少しでも補給しよう。
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