D.麺類 ラーメン・うどん・そうめん・冷や麦・きしめん・そば・スパゲティ・焼きそばとバラエティに富む。テレビでは毎週のようにラーメン店特集を放送しており、うどんもよく取り上げられている。8.ラーメンと具 最も簡単なインスタントラーメンから始める。誰でもが作れる最も手軽な料理であるから書くには及ばないが、うまく食べるためには、それなりの知識が必要である。 焼き豚から作るが、「焼き豚」は作れないので煮豚にする。実際、ラーメンに焼き豚が入ることはほとんどなく、テレビのラーメン特集で見ても、大部分は煮豚である。 材料は豚肉のバラブロックとねぎ・生姜、醤油・酒である。豚肉のバラというのは、肋骨の部分であり、肉と脂肪が段々になっており、三枚肉とも言う。ブロックは塊のままの意味である。豚肉のバラは脂身が多いので、脂肪が気になる方はモモ肉を使う。 モモ肉やバラブロックを、鍋に入る大きさに切って、凧糸で縛って使う。糸で縛らなくてもできるのだが、縛る作業によって形が整う。しかしでき上がったものを切るよりも、最初から5oぐらいの厚さに切って作ると、後始末が楽である。 煮た後で凧糸を切ってすぐに肉を切ると、熱くて、しかもまな板が油まみれになり、たいへん厄介なものだ。買った焼き豚からネットを外す作業はいやになる。作った会社の社長に外させてみたいと思う。 鍋に肉を入れ、肉がかろうじて隠れるぐらいに、水を少なめに入れて火にかける。ねぎの青い捨てるような部分をよく洗って、ぶつ切りにして入れる。生姜を洗い、皮のまません切り(薄くスライスして、重ねて細く切ること)にして鍋に入れ、醤油と酒を入れてコトコト煮込む。ブロックを使うときには、早く煮えるように所々に切れ目を入れる。 メンマは瓶詰もあるが、ビールの肴としてもうまいので、自分でも作ってみる。スーパーでメンマの水煮の袋入りを買い求める。もともとは中国や台湾から塩漬けで輸入されており、水で塩抜きをして戻した物である。 ラーメンに入れてもいいが、そのまま皿に盛り、きざみねぎをかけてほんの少し醤油をねぎの上にたらして食べる。 …料理用の酒は、高級品を使わないこと。いい酒はそのまま飲むに限る。もったいない。 モヤシラーメンや味噌ラーメン用のモヤシは少々コツがいる。1人前の場合は少しだけ作り、残りのモヤシは野菜炒めや味噌汁に使う。モヤシは袋からざるにあけて、流水で洗う。以前のモヤシは根のひげが邪魔で、手でつまんで取ったものだが、近年は豆の品種改良により、ひげの少ない豆を使用しているので、ひげを取る必要がなくなった。 フライパンで油炒めをする方法はモヤシに味をつけやすいが、やわらかくなるまで案外時間がかかる。仕上げにラー油をたらすと味がピリッとする。 野菜ラーメンを一人暮らしの人にお薦めする。インスタントの味噌ラーメンにぴったりである。肉の細切りか挽き肉とキャベツの細切り・玉ねぎスライス・人参細切り・きくらげ・モヤシ・椎茸などの中から、有り合わせの野菜をフライパンで炒め、塩・胡椒・化学調味料・胡麻油で味を整える。 キャベツの細切りは葉を2〜3枚はずし、水洗いして芯の部分を切り取り、切りやすい大きさにばらして重ねて、5oぐらいの幅に切り揃える…野菜炒めの基本であり、芯の部分も斜めに薄く切り、きざんで一緒に混ぜて使う。 塩ラーメンやタンメンには玉ねぎのスライスを10枚ぐらい生のまま丼に入れ、上から熱いラーメンを注ぎ、たっぷりのラー油と少量の酢をたらすと抜群にうまくなる。 私が小学生の頃に即席ラーメンが発売された。中学生の時(昭和32年ごろ、東京オリンピックは昭和39年 TOKYO1964)に算盤塾に行く前に食べた事を覚えている。私はラーメンの即席版がインスタントラーメンだと思っていたが、次男と三男はラーメンとインスタントラーメンとは、全く別の食べ物だと理解している。本格的ラーメンを作ろうとしても、インスタントラーメンを食べたいと言う。各社から生ラーメンの3食パックが、各種の味で競って発売されている。生ラーメンを使用するときはスープ用のお湯を準備して、具を揃えてからラーメンをゆで始める。段取りを間違えると、麺が延びてしまう。うまい料理には段取りが不可欠である。 メンマ(ラーメン用の麻竹)は竹の子を発酵させたもので、業務用の素材自体は安いものだ。塩出しして味付けしてラーメンの上にのる。私はメンマが好きで、いっぱい食べたいから自作する。ラーメン屋でメンマが9本以上入っていないと面白くない。5・6本だと、味わう前になくなってしまう。「業務用の1袋を5・6本だと、何人前取れるのだろうか。ケチ」と思ってしまう。9本あれば3口ぐらいに分けて味わえる。目の前で盛り付けする店で、丼に入れすぎて箸で戻す店には行きたくない。 友人が来たときなど、まとめて作るとベタベタになる。そういうときは肉と野菜だけを先に炒め、一旦取り分けて2人前づつ分けて作る。 フライパンに油をひき、豚肉スライスとキャベツを炒め、うどんの玉を入れてさらに炒める。火がとおったら鰹節をたくさんかけてきざみねぎを入れ、めん汁を上からかける。 |
10.冷し中華 冷し中華は季節メニューで、食べたいと思い始めたらむしょうに食べたくなるが、冬になると全く忘れ去られる。愛好者連盟があるそうだ。インスタントの冷し中華や3食セットは夏だけ売っており、冬には手に入らない。瓶入りの汁も夏だけ売っている。 麺はラーメンの麺と同じである。 フライパンを揺すり、まんべんなく卵を広げて中火で焼く。固まったなら長い菜箸を卵の下に差し込み、中央部を持ち上げてひっくりかえす。反対側はフライパンの余熱で固まる。両面が焼けたなら皿にとる。この薄焼き卵を折り曲げて、まな板の上に置き、ナイフで細く切る。 卵焼き・きゅうり・ハム・海苔で普通は十分であるが、味つけモヤシ(円筒形のパック入りで売っている)があればボリュームたっぷりとなる。 手間をかけられるときには肉を使う。鍋に湯をわかし、生姜とねぎを少し入れ、しゃぶしゃぶのようにゆで肉を作る。豚肉スライスでも鳥肉でもよい。ゆで上がったらまな板にとり、ハムと同じように細切りにする。少しぐらい大きくてもボリュームがあって宜しい。味はないが生姜とねぎで臭みが取れている。棒々鳥の胡麻だれをかけてもよい。 夏の麺に中華ざるもある。中華麺のざるそばであり、ざるそばほどあっさりしていない。中華麺をゆでて、ざるそばの汁で食べる。そば汁は市販の濃度の高い濃縮そば汁で作るのだが、甘みの強いものは避けたい。 11.うどん類 うどんはスーパーで売っているポリ袋に入ったゆでうどんが手軽だが、乾麺をゆでるのも面倒ではない。乾麺は太うどん・細うどん・きしめん・冷や麦・素麺(そうめん)と大きく分けて5種類。太さでゆで時間が変化する。 乾麺を使ったシンプルな釜揚げうどん 薬味は鰹節ときざみねぎまたはおろし生姜。醤油をかけ渦ぎたときは、湯をかけて薄める。 冷やしうどんは、ざるそばの要領で食べる。めん汁は卵の欄で述べたように、濃い目の濃縮タイプのものが他の料理にも応用がきき、かつ経済的である。薬味はもみ海苔・きざみねぎ・おろし生姜・みょうがのみじん切り(できるだけ薄くスライスする)。 立ち食いそばのマネをすればよいが、残念ながら立ち食いそばのかき揚げで、うまいものを出す店は少ない。 天麩羅については機会があれば触れたいが、一人暮らしで天麩羅を作るのは不経済であり、手間がかかり過ぎる。市販の天麩羅を買い求め、1個づつラップして冷凍保存しておくとよい。解凍する時は丼に取り出し、ラップを外して電子レンジで30秒ほど温めれば、結構もとの状態に近く戻る。しかし解凍時間が長過ぎるとビチョビチョになる。 きつねうどんを簡単に作る。まず、1人前を作るのに油揚げを1枚だけ作る方法。油揚げを1枚だけ別に味つけすることは非効率的である。何も入っていないものより、油揚げが入っているほうが遥かにうまい。 ちなみに一人暮らしで、しかも外食では、どうしてもカルシウム不足になりがちである。コーヒー・紅茶・コーラ・ジュースなど、甘い飲み物を飲み、煮干しやしらす・小魚・焼き魚など、骨を食べる機会が少なくなり、虫歯になりやすい。缶コーヒーは砂糖の塊が入っていると思おう。 冬の夜は鍋焼きうどんがご馳走だ。「土鍋」があればいいが、インスタントラーメン用の蓋つきの鍋を使う。 沸騰する頃に生卵を割り入れ、蓋をして弱火にする。1分ほどたってから天麩羅と薬味の野菜を入れ、もう一度蓋をして火を強め、煮立ってから火を止める。 鍋焼きうどんはねぎ・蒲鉾類・生卵・薬味がベースであり、天麩羅があると申し分ない。とにかくある材料を利用して作るのだ。七味唐辛子を添える。彼女が来て2人分作らなければならないときは、1人分づつ作り、完成品を丼にあけること。 博多には丸天うどんがある。あっさりした薄口の汁に、丸い天麩羅が入っているが、この場合の天麩羅はかき揚げなどではなく、いわゆる「薩摩揚げ」であり、魚の擦り身の天麩羅である。丼の中央にでんとのっており、とろろ昆布と博多ねぎが入っている。 鰹節だしと昆布だしに味醂、淡口醤油で作る。濃縮の関西風うどんだしがほしいのだが、残念ながら今のところ見当たらない。 その他、うどんの上にのせる物は惣菜店の天麩羅、コロッケ・メンチカツ、油揚げ、蒲鉾・竹輪・生卵・餅(力うどん)・ほうれん草・カットわかめ・とろろ昆布・海苔・おでんの種・イクラ・和風味のキャベツと人参炒めなどである。 七味唐辛子の七味とは? 一日30種類の食物を食べようと言われている。八宝菜に七味唐辛子をかけて15種類。夕ご飯に五目ラーメンを食べるとあと10種類。 こういう計算はよくない。しっかりと多種類の食材を食べよう。自分の健康のためである。 |