基本項目
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その後に、作り方の画像を少しづつ追加しています。
この「基本項目」は本文を書いた時の心構えであり、画像の説明とはズレが出てきています。
でも、基本部分だけはできるだけ守るようにして作っています。

1. ゴミを出さない料理 ゴミを出さない料理を基本に組み立てた。とくに生ゴミを出さないようにした。一人暮らしでは生ゴミの処理が大変である。収集日が決められており、その日の一定の時間内に出さないと、近所のおばさんからにらまれてしまう。次の収集日まで置くと、においが部屋に広がる。また、ゴミは濡らさないようにする。生ゴミ用の三角コーナーに捨てて、水で濡らすから生ゴミとなる。卵の殻や玉ねぎの皮は乾いたまま捨てる。コーヒーのだし殻や紅茶のティーバッグも同様に、直接ゴミの袋に捨てる。完成品・材料ともに、ゴミのでないものに限定した。

2. 包丁をできるだけ使わないようにした 包丁をできるだけ使わないようにした。卵焼きは包丁・ナイフを使わずにできる。しかし、うまい料理には薬味がつきものである。きざみねぎのないラーメンやそばは味気無い。ねぎをきざんだり、大根の皮をむいたり、最小限の包丁を使わなければ料理にはならない。包丁を使えなくてもキャンプではナイフを使いたい。ナイフは男性用の重要なツールであり、使いこなしたい。太古の昔より、人間は食べるためには道具を、特にナイフの使い方を学んできた。人類はナイフを使う生物である。皮むき器やスライサーは便利で安全であり、どんどん使う。

3. 調理時間を短くした 食べるための料理である。腹が減っている時や夜遅く帰った時には、一刻も早く食べる準備をしたい。無駄な時間は極力省いた。とにかく簡単に作り、ゆっくり食べる余裕を心がけるべし。たっぷりと時間をかけた料理はゆとりであり、必要な条件ではない。そのためには便利な道具や材料はどんどん利用する。「化学調味料をまったく使わない」とか「じっくりと出しを取る」という技術は、そのうちに慣れてから試してみる。

4. 後始末を簡単にした 食べた後の始末を面倒に思う人が多いと思う。丼物だと洗い物はフライパン・丼・小鉢・汁椀ぐらいですぐに済む。しかし魚を焼くとロースターをしっかり洗わなければ、匂いが残る。魚の油もはねる。天麩羅やとんかつも揚げたいが、周囲に揚げ油が飛び散る。油の後始末もしなければならない。生ゴミを出さない調理と同様に、キッチン周りの掃除も少なくなる料理に対象を絞った。卵焼きなどでは、フライパンは紙で拭くだけでよい。道具を汚さない調理を考えた。

5. 残り物が出ないようにした 冷奴で豆腐を一丁食べたなら、お腹が一杯になり、他の食べ物は食べられない。半分食べて半分は保存する。残った物はフリージング(冷凍)する。コツは作り過ぎないことであり、作り過ぎると同じ料理を何回も食べるハメになり、飽きがくる。残り物の始末方法も書いた。

6. 素材にこだわらない いつでもどこの地方でも手に入る、保存のきく、エコノミーな材料でできる料理を主体にした。肉は高いものが柔らかく、うまいのは当たり前で、魚は鮮度が勝負だ。私も魚釣りをする。「最良の材料を使い、包丁の冴えを見せ、器にこだわり、食べ方も指定して」という部分を排除した。それはプロの分野である。

 ここでは一人暮らしの食卓を、いかに合理的(調理時間・料理バラエティー・自分好みの味・コストパフォーマンス・使用器材など)に準備するかという点に目標を絞った。しかし季節感は料理の基本であり、旬(しゅん=その季節だけのもの)の素材を使いたい。旬でなくても、季節の移り変わりを味わえる食べ物を食べたい。四季が鮮やかな日本に住んでいる特権である

7. 人気メニューに絞った 町や学校の食堂の人気メニュー、即ち普段食べているものに絞り、珍しい食べ物や込み入った物を避けた。結果として一般的な食堂にないような、新規・珍奇な料理は入っていない。うまいものを食べられる機会があれば、貪欲に、かつ上品に参加して味を覚えるとよい。食べ方が上品でないと次回からは招かれなくなる。マネをすることが近道であり、数千年も何億人もやってきている料理に、オリジナルを求めるのは難しい。手を変え品を変えという、目先の変化である。但しマネだけではなく、工夫は何時の時代でも、どんな仕事にも大切な要件であり、精進(しょうじん=料理用語でもある)につながる。

8. 単品料理は避けた 一人暮らしではどうしても使う材料が少なくなる。たくさんの食品を組み合わせる料理はできない相談であるが、買い物に行って求めた材料と、保存食品を組み合わせ、単調にならないように考えた。昆布・鰹節・海苔・きくらげ(木耳)・生姜・ねぎ・玉ねぎ・ベーコンなど保存食品を使い、食べる食品の種類を増やした。また、その料理の応用とバリエーションをできるだけ網羅したつもりである。

9. 分野を広く取った 考えてみれば自国の料理以外に、貪欲に他国料理を普段の食卓に並べているのは、日本ぐらいではないかと思う。伝統の素材を伝統の様式で食べ続けるのが、諸国の日常であろう。
 和食・洋食・中華料理・パン・パスタ・麺。日常何気なく世界の料理を食べている。町の食べ物屋さんで見かける大衆料理を、たくさん取り込んだ。特別な料理は専門書に任せる。

10. 分量(レシピ)は書けなかった はかりはラーメンのお湯の量を計るための、計量カップの大きい物があればよく、大さじ・小さじは使わないようにした。
 しかし「分量が分からないと全く別の料理になって、食べられなくなってしまう」と、コピーでの当マニュアル試作品段階でお叱りを頂いたので、基本的料理は分量も記載した。また料理の専門用語をできるだけ使わないようにした。やむをえず使う場合には、平易な言葉で説明し、料理用語を併記した。材料の切り方・料理の準備・調理方法など、料理用語はたくさんある。

 味には一人一人の好みがあり、調味料の「加減」により味を調整する。塩梅(あんばい)という。味が濃ければ水で薄め、薄かったら調味料を足す。