細菌性食中毒
感染型:細菌そのものが中毒症状を起こす場合
毒素型:細菌が産生した毒素が中毒症状を起こす場合
<感染型食中毒>
*腸炎ビブリオ(病原性好塩菌)
海産の魚介類汚染が原因
潜伏期間 10〜20時間
胃痙攣様の腹痛、水様下痢
*サルモネラ菌
料理人の手、手の傷、まな板、食肉、鶏卵の糞便による汚染が原因
潜伏期間 6〜48時間(12時間前後)
急性胃腸炎型の症状
<毒素型食中毒>
*ぶどう球菌
にぎりめし、あんこ、弁当
潜伏期間 0.5〜3時間
嘔吐が主症状、続いて腹痛、下痢
回復は早い。毒素は耐熱性
*ボツリヌス菌
いずし
潜伏期間2〜8日(18時間前後)
神経症状を呈し、致死率が高い
中毒学には「ある物質が生体に有害であるか否かは、量のみによって決まる」という基本原則がある。
【参考資料 「衛生管理」管理編(中央労働災害防止協会)】
[予防]
・調理にはよく手を洗うこと
・食物には十分に熱を通すこと。肉などは芯まで加熱する必要がある
・調理後はなるべく早く食べ、保存には細菌が繁殖しないように注意する
・まな板・ふきん・包丁・スポンジはよく洗うこと
人間が生きている環境では細菌も活発に活動して繁殖している。細菌の数が問題であり、体力に細菌の数が勝った時に食中毒となる。老人や乳幼児に被害が多いのはこのためである。食べた量にもよるが、同じ物を食べて発症する人としない人がいる。加熱できないなま物は特に注意しなければならない。加熱しても死なない毒素があって、集団食中毒が発生したことはつい最近のことである。
作った瞬間から細菌の増殖が始まる。温度が高くて水分が多いと活発に繁殖する。だから昔から人々は塩漬けにしたり、乾燥させて水分を下げたり、低温で貯蔵したり、酸(酢)に漬けたりして保存に工夫してきた。冷蔵庫で保管する方法が一般的である。低温で保管することにより細菌の繁殖を抑制しているのだ。繁殖した食べ物を冷蔵庫で保管してもそれ以上の繁殖を抑えるだけであり、細菌が死滅するわけではない。冷蔵庫の中でじっと休止しているのだ。
食中毒を防ぐためには細菌が増殖しない環境の中で料理し、保管することである。危ないと思ったものは「捨てること」が大切である。
刃物を使うので指を切ってしまう。
私もつい最近、右手の小指に包丁の先を刺した。
料理用の自家栽培トマトを半分に切るため細長いトマトを横に向け、左手の親指と人差し指でトマトを押さえて、右手でペチナイフを持って、横向きに差し込んだらトマトの奥に小指の先があった。
小指は思った以上に内側に曲がっていたのだ。
子供たちに包丁の使い方を教える時、刃の先に指がないように教えてきた。左手でキュウリや玉ねぎを押さえて右の包丁で切る時、指先を内側に曲げて、包丁の刃先には何もない状態にするよう指導した。包丁の刃先や下に指があるから手元が狂うと切ってしまう。指がなければ指は切れない。
手元が狂っても切れない位置に指があるようにしてほしい。
ナイフを床に落とす。
調理台の上に置いたナイフに手や物が触れてナイフを床に落とすことがある。また中途半端にナイフを置いたため、何かの拍子で落下する時が長い間に必ずある。
床に落下してもケガをしないように、スリッパをはいて料理してほしい。ナイフが素足に刺さったことを考えて見てほしい。
事前に知識があれば、危険を予知して発生しないように配慮することができる。
電車で網棚に上げておいた荷物が落下し、下の乗客がケガをするケースや、傘を横に持って歩いて、後ろから来た子供の目に当たったケースを私は新聞で読んでいる。無知な人が同じような事故を起こすのだ。